1970年代 建築家の言説 30歳代_鈴木恂

■1970年代における建築家の言説_30歳代_鈴木恂

GA JAPANという建築専門誌を発刊されている A.D.A.EDITA Tokyo(エーディーエー・エディタ・トーキョー)。
その本社ビル(著名な建築家の企画展をする建築専門のギャラリー併設)を設計された鈴木恂さんについて。

荒々しく力強いコンクリート打放し仕上、独創的な形態から第一印象は威圧的な存在を勝手にイメージしていました。
ただ、本人の言説、さらに批評をみていくと違う印象を持ち始めます。

北海道出身で原生林のような人間がコントロールできない荒々しい自然に感化されているとのこと。
そして、早稲田大学の吉阪研究室出身で、今和次郎(考現学を提唱された民俗学者)の影響からデザインサーベイという集落調査をいくどもされています。その際、「視覚」だけでなく「触覚」ということを独自で意識して調査をされていたようです。

生活のあり様は歳とともにかわっていきます。子供さんがいる家庭は巣立つ前と後では全然違うなど。
そうした変化に機能的に対応するだけでなく、観念的なことですが、変わらずによりどころとなるモノが備わっていることが大事なのではと思われて設計をされていたように感じます。
鈴木恂にとっては、「力強いコンクリート打放し」の「空隙がそなわった箱」(空隙とは吹抜け)がそれに値するものだったようです。
ただ、視覚的には豪快そうですが、使い勝手を含めて間取りをみるとクライアントに寄り添った優しさを感じてきます。
ところで、写真や言説を元に且つ浅い知識で想像しているので、「触覚」を意識したつくりを理解できていません。 
1970年代初期の住宅を生で感じてみたい。 そして、鈴木さんのスケッチ集の題材になったメキシコにも行ってみたい!

@amarnyo  
建築・アート・風景を中心に日々の思考を記録しています
その思いが建築設計とどう結びついていくのかご覧いただけたら幸いです
WORKS ⇒ https://amnhrs-a.jp/?cat=3

#1970年代 #建築家 #言説
#建築 #architecture
#鈴木恂 #今和次郎 #吉阪隆正
#デザインサーベイ