地元建築家の建築探訪_元所属事務所 渡辺隆建築設計事務所「磐田卓球場ラリーナ・アーチェリー場」

■地元建築家の建築探訪_元所属事務所 渡辺隆建築設計事務所「磐田卓球場ラリーナ・アーチェリー場」
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ここ最近、地元の同世代の建築家の建築を見させていただき、勉強させていただいております。
ボクがアレコレ言える立場なのか?というのはありますが、見学させて頂いたことを書き連ねたいと思います。
地元の若手建築家の存在、活動の様子を知れる機会になったらと思いまして。業界のことを知ってもらいたいとも。
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拝見させて頂くときに、以下の視点でみるように心がけています。
・その人が何を大事に思ってつくろうとしていたのか?
・それがどんなところにあらわれているのか?
・ボクの価値観と照らしてみたときに浮ぶ感情をもとに、自分の大事にしていることがなんなのか?
を想像しながら拝見して考察していくことを自分に課しています。
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以前在籍させて頂いた渡辺さんが手がけられた卓球場について。 数日前にも地元の新聞に掲載されいたアレです。
磐田市のかぶと塚公園内にこの建築はあるのですが、ここの公園の利用状況にまず驚かされました。
雑木林や水辺が適度に配置されているところに、幼稚園児が木漏れ日のある水辺で遊んでいたり、子連れの方が遊具で遊んでいたり、おじいちゃんが野球をしていたり、陸上競技場や弓道場で練習が行われていたり、はたまたランニングや散歩しているご年配の方がいたりと。
要するに、気持ちが良くみんなが集いたくなる場所であるということ。
そんな気持ちの良い環境のなかにどう建築を建てるのか?をデザインする際に自分の中でまず問われただろうなと思いました。
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雑木林と同じように、すっとそこにあるかのように建築が建っています。
その間には以前からあった舗道があるのですが、そこは本当に気持ちが良い状態。
銀色のガルバリム鋼板の外壁に雑木林の影がきれいに写り込んでいて、その様子をついうっとり見つめてしまう。
そして、その視線のさらに奥に、卓球をしている様子が伺えるようになっています。
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ところで、設計をする条件として、市の入札案件ということも大きなポイント。
ここで入札というものの詳細を説明すると長くなりすぎてしまうので割愛するのですが、
コンペやプロポーザルのような環境化でデザインをはじめられるとは大きく違うであろうと。
想像するに、設計のスタート時点で、クライアントがどんなデザイン性のある建物を要求しているのかはハッキリとわからないであろうから。
うっかり、そういった条件であったことを抜きにしてみてしまうのですが、
この状態に仕上げるのはいろいろなことがあってたどり着いたのであり、おいそれとマネはできない。
そういうことを何かいうわけでもなく、さらっとやってしまうから末恐ろしく偉大なのであります。
ちなみに、元ボスであり、永遠にボスであることにかわりはないので、ボクが考察を書くことはおこがましくありますが、
でも他者であるからこそ書けるというのもありまして書いています。
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ということで、非常に精度の高い建築であるのですが、個人的に一つだけ気になった点がありました。
卓球をしにきた人以外も自然ととどまれる仕組みや仕掛けがあったら、さらにもっと良いなと思いました。
それは、ボク自身が保育園を手がけたときにやりきれなかった課題でもあるのですが。。。
いろいろな条件があるので難しいのは承知しているつもりですが、でもつい思ってしまうのです。
この指とまれの指の存在であるのだから。
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@amarnyo  
建築・アート・風景を中心に日々の思考を記録しています
その思いが建築設計とどう結びついていくのかご覧いただけたら幸いです
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