ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours

ヴォルフガング・ティルマンス 2015.10.17

先月まで大阪の国立国際美術館で開催されていたヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours について。

ティルマンスの写真は主体が複数存在していることと、生々しい雰囲気があっていいなぁと画集を通して思っていました。それで今回ティルマンスの個展を観にいきました。
まず、会場の雰囲気が圧倒するような感じはなく、すごくフラットな気持ちでみることができました。
展示の構成やディテールによって、浮遊し流れるような雰囲気だったから。
写真のサイズのバラバラさ、写真を額入・クリップ留め・テープ留めなど多様な形式で展示されていたのが興味深かったです。

ところで、個展のタイトル Your Body is Yours という当たり前の言葉が意味深でおもしろいです。
作者曰く、当たり前のことをあえて口にすることで問いを喚起させたいのだと。

写真の中身については、政治の問題、性の問題、戦争の問題、科学技術、美術、友達、世界の街など社会的なことと私的なことをパラレルに取り上げていました。
ただ、その写真は決してドラマチックではなく、淡々と切り取られていました。
だから、主題がなにかよくわからない感じなので、逆に考えさせられました。