建主は、創業100年を超える紙函(かみはこ)の製造を生業にされています。4代目である建主は、事業拡張と暮らしの充実のために仕事場とすまいを併設した建物を望まれました。また、伸びやかに暮らしたいということで、市街地ですがまだ田園風景の残る敷地に居を構えることを選ばれました。
外観は生活感をださず、工場のようなクールな佇まいになるよう白く無機質な外装にしています。そして、田園風景と屹立することを避けるべく、形態を凸凹させて周囲と呼応することを試みています。内観は仕事場もすまいも導入部にあたる諸室は外部の延長ととらえ白い空間に、逆に主室となる空間は木質に仕立てています。
「田園風景の外部空間」と「白い内外部空間」と「木質の内部空間」。それぞれの関係により見えの行き来(収束と発散)をうみだし伸びやかさを演出しています。
意匠: 天野寛志建築計画事務所
構造: 桑子建築設計事務所
施工: 株式会社エム・ツー
造園: 木人苑 ※後日施工
写真: トロロスタジオ(谷川ヒロシ、横山リサ)
⇒ 計画段階イメージ