年配ご夫婦とお父さんの三人暮らしのための家。
住宅はまばらで、赤土の畑やビニールハウスがぽつぽつと広がるところに敷地はあります。
そして、敷地は主要道路から外れたところに位置しているため往来する車も少なく、周囲を歩くのはご近所さんが大半という静かな環境のところです。
また、高さ5m程度の雑木林が敷地全体を取り囲んでいて、且つ敷地の地盤は周囲から2mほど下がっています。
クライアントは、以前からその敷地にお住まいになられていて、本計画はその建替えになります。
ご要望として、居室を明るく開放感を持たせたいということから、主に居室を2階に設けて1階部分はほとんど建物が無い状態を望まれていました。
そのような与件から二つのことをデザインしました。
1つは、1階ピロティの天井高さを少し高くして、ピロティの箇所が周囲と連続して開放感がありつつも建物の下ということから少し囲まれ感があって落ち着くという雰囲気にしました。
そうして、愛犬と遊んだり、ベンチに座ってゆっくりするのに気持ち良い場所にしつらえました。
もう1つは、大小違う大きさで仕上材も違う、7つの箱の重なり合いによって空間をデザインしました。
例えば、ある場所は箱と箱に挟まれた間のスペース。また、ある場所は箱の中のスペースと。
箱の大きさ、間の大きさ、仕上材の違いなどによって、開放的な雰囲気だったり、こもれるような雰囲気だったりと多様な雰囲気のある居場所を設けました。
○kft
所在地:静岡県浜松市
主要用途:戸建住宅
構造規模:鉄骨造地上2階
デザイン監修:天野寛志建築計画事務所