山田那美 「かきとめる」

展覧会のご案内

山田那美 「かきとめる」
2025年11月22日(土)− 11月30日(日)
Open. 13:00 − 18:00
作家在廊日:22(土)・30(日)

ギャラリーあ   静岡県浜松市中央区曳馬5–4–65天野寛志建築計画事務所 1F)


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「時の流れが見えるとしたらどんな風だろう」そのような事を思うともなく思い続けていた気がします。過去を思い出そうとする時、大抵は起こった出来事や事件であることが多いような気がします。しかし、日々は案外淡々としています。思い出せないほど何気なく過ごした一日も紛れもない一日ですし、特別な出来事がある時も、事件や事故が起こる時も、同じ量の時間が流れていきます。

日々は時間の集合体です。また、時間は考えの集合体です。考えつづければ思考となり、思考はやがて思想になります。そして、ひとつひとつは一見関係なく思えるような小さな事が、たくさん集まることで輪郭のようなものが見えてくる気がしています。

“時間”に形はありませんし、留めておくこともできません。ただ、経過してしまった時間は何らかの方法で意図的に残さなければ実感を得ることは難しいように思います。だから、練り上げた自分の考えを、考え続けた時間の質量を、忘れないようかきとめておきたいと思うのです。

本展は過去制作の総集編のような内容です。
タイマーをセットして描くことで、1時間の描画範囲を視覚化した「時(hour)」。
労働をテーマとし、8時間分のカセットテープにモールス信号を直接刻んだ「multiple」。
1ヶ月間毎日転写を繰り返すことで、記憶の変化の視覚化を試みた「伝言」など。
私が“時間”というものを、手間、単位、生産、記録、記憶といった切り口から、どのように解釈し、形にしてきたのかをご覧いただければと思います。

美術家 山田那美

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■Profile
1988年 神戸に生まれる。
2010年 京都精華大学 芸術学部造形学科 日本画コース 卒業
2015年 岐阜県東濃地方へ移住
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お問い合わせ
gallery@amnhrs-a.jp