


夏に東京都現代美術館で開催されていた岡崎さんの最新作の粘土による彫刻をみた。
芸術の可能性はまだまだあるのだと訴えかける作品だった。しかも、テクノロジーを駆使して制作されたというのだから驚きだ。
『魂はプラスティック(可塑的)』であり、『芸術は人間に魂を自覚させる方法』であるとは、岡崎さんの一貫した命題のようだ。
社会の変化により芸術の存在意義も変化せざるを得ない。御年70歳の作家がまだまだ可能性はあると希望の光のようなものを新作で提示するのは驚嘆するところ。しかも、脳梗塞を数年前にわずらい後遺症があるというのに。
もともと彼を知ったのはとある美術館で「あかさかみつけ」を偶然みかけたのがはじまり。見る角度によって見え方が自在に変化するありように心惹かれた。というのもたぶんに、私が建築で志していたことでもあるからだ。
中堅の私がどう先輩方から学び、どう若手へ歴史を伝え繋ぐのかを本当に強く思うところである。頑張らねば。
