






10月初旬、特別展示「山内逸三と藤井厚二 聴竹居で育まれたものたち」と記念対談「松隈章×藤森照信」を拝見に、多治見モザイクタイルミュージアムに行った。施釉磁器モザイクタイルの創製者である山内逸三と「日本の住宅」の理想形を追い求めた藤井厚二。叩き上げの山内とエリートの藤井。交わりそうにない二人だが、山内が藤井のもとに数年出入りしていた証拠になる資料が発見されたこともあり、今回の展示と対談が産まれたようだ。
外壁にタイルを施すというのは世界的にみて異例であると藤森さんが話されてハッとした(石やレンガはあるが)。イスラム文化のモスク、引いてはポルトガル、スペインのアズレージョと外装を装飾タイルで彩る建物は一定数あるが、タイルは内部に使うもので外部に使うものでは無いとされてきた。そのような観点で建物をみてこなかったので目から鱗。
現在は、ガラス・金属・サイディングが外装の主流だが、それらが効率的に大量に製造できる以前ではタイルや左官仕上げが主流であった。タイルや左官仕上げは前者にくらべて現場作業に時間を要すため現在ではコスト高になってしまい採用が難しいのが現状。前者の素材を全否定するつもりは毛頭ないが、それ一辺倒の街並みも味気ない気がしている。新築でタイルや左官仕上げの外装はコスト高の現在、採用が難しくなっていくかもしれないが設計の際になるべく採用できるようトライしていきたい。
