施工前
浜松のまちなかの空室利用を促進するきっかけとしての家具インスタレーション。
浜松の中心市街地は創造的な活動の拠点として重要な位置を占めることは可能ですが、空洞化・高齢化が著しいのが現状です。
この課題を解消するため、まちなか利用者の創出を目的とし、空室となった既存の建物の有効活用策を構築することを目指した事業が行われました。
その事業の一環として、あるビルの空室をお借りして改変案のモデルを家具を用いてあらわす試みがあり、当事務所でそれを担わせて頂きました。
普段ヨゴレは、汚いという意味づけされてしまうところを、味があるという風に意味が変換されるよう場をしつらえることを目指した。
また、あまり施工コストをかけずに、工夫と頑張り次第で誰でも行えることもこのプロジェクトの肝でした。
そうしたことから、空間に手を施したのは、天井・壁・床の清掃作業が主であり、新たにしたことは、刷新することは避けて過去を経てきた状態を活かすように壁を塗装しただけである。
後は、この空間にあう家具(特徴的なテクスチャーで且つ低価な素材をもちいてDIYで製作した棚・テーブル・デスク、 アンティークの椅子・照明、 一部アクセントにオリジナル家具)を置いて彩りを与えた。
そうしてできあがった場でお茶を飲みながら佇んでもらったり、談笑したり、ミニライブなどを行った。
まちのみなさん、来場して下さった方々、そしてこの設営に協力して下さった方々が体験を通して、「古いビルならではの居心地良い場がやり方次第でつくれそうだ」と、少しでも身近に感じてくれたら幸いです。
また、空室を抱えているビルのオーナーさんにとっては、ハード面の手入れ(ビル自体の耐震性能、設備の更新など)、ソフト面の管理、どこまでビルを保持していくのかなど、課題は沢山あり現状保留されている方は少なくないそうです。そうしたみなさんが、このプロジェクトを伝え聞いて今一度考えるきっかけになったとしたら幸いです。
主催:空室マッチング協議会
共催:肴町発展会、浜松まちなかにぎわい協議会、法政大学大学院政策創造研究科恩田研究室、
天野寛志建築計画事務所
会場デザイン:天野寛志建築計画事務所
家具協力:OLDKING、Budouya Furniture
会場設営:有志一同
⇒ 会場設営・会期中